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いつから始める?家庭ではじめる子どもの性教育



性教育は思春期からだと遅い?


 「赤ちゃんって、どこからくるの?」「せっくす、ってなに?」子供からそんな質問を投げかけられ、「もう少し大きくなったらね...」と、うやむやにしているうちに、思春期になり、話すべき/教えるべき性の問題について、いっそう話しづらくなった、というのはよくある話。あなたも聞いたことや聞かれたことはありませんか?

 子供への「性教育の教え方」が分からないのは、親世代が「未熟な性教育」を身に付けて大人になったから。

 小学校に上がる前の子供ですら、今はネットの大海原で良くも悪くもいろいろな情報にすぐアクセスできる環境で、現代の親は子育てをしなくてはならないので、早い時期から正しい知識を教える必要があるといえます。子供が人とかかわり、社会とかかわるには、未就学児の幼い子供でも情報を見極める力を持たせなければ危ないのです。

 しかし、日本では、子供たちを性から遠ざける習慣が主流なようです。幼い子供が性教育を学ぶことに、抵抗を感じる親は少なくありません。親が不必要なことを言ってしまった/教えてしまったばかりに、子供の性に対して興味を過度に刺激してしまうのではないか。という不安を持つ親も少なくはありません。

 また、性教育なら、中高生になれば学校で学ぶから、今は必要ないと思うでしょうか?しかし、中学校、高校性になる前の未就学児を含む子どもが性犯罪に巻き込まれるケースは珍しくありません。ニュースでも度々、耳をふさぎたくなるような悲惨な性被害の報道がされ、中には、性病に感染した子たちもいるのです。また、性犯罪者の脅しにより親に言えない場合も考えられ、なるべく幼少期から性教育に触れていく必要があると言われています。


性教育に対するイメージ


 現在の日本の学校の性教育の授業では、重要な部分については詳しく説明されません。また、学校外にも、性について真摯に正しい知識を教えてくれる大人はあまり多くないでしょう。日本人の大半が性の話(性教育)を下ネタ、エロ、卑猥なものと混同し、タブー視/敬遠したり、真剣な話題ととらえないことが多いでしょう。日本人がこのように、正しい知識を持てないのも無理もありません。そのため、幼児期から、間違った性情報に触れたり、性に対してネガティブなメージがつく前に、信頼できる正しい知識を持った大人から子どもに性の情報を伝えることが大切です。

 性情報から子どもを遠ざけるのではなく、まずは私たち保護者が意識を変え、正しい知識を伝えること。そのためには、幼少期から何でも聞ける、何でも言い合える関係づくりが必要です。子どもが将来、自分や大切な人を本当の意味で大切にできるように、今からできることはたくさんあります。


日常生活で育てる性の知識


 近年では、幼児向けや幼児の子どもを持つ親向けに多くの情報が展開されるようになりました(絵本を含む書籍)。まず、言葉が理解できるようになった子へのポイントは、デリケートな部分(プライベートゾーン)は自分以外の人間に、「見せない」「触らせない」。 口、胸、性器、お尻などは身体の内部に関わる部分で、とても大切なところで、当然、家族であっても気軽に触って良い場所ではありません。そのため、見せないこと、触らせないことを徹底しなければなりません。この時、「人がなぜ触れてはいけないのか」「なぜ人に触れさせてはいけないのか」を子どもがしっかりと理解し、日ごろから無意識に気を付けることができるようになればプライベートゾーンの教育は成功です。一番大切なことは、自分/子どもの体は、自分/子どもだけの大切なものなんだと認識させることです。その上で、上記のように「水着/下着で隠れるところ」と口は「子どものプライベートゾーン」なので、子ども以外が許可なく触れてはいけない大切な体の部位だというのを、繰り返し何度も伝えていくことが成功のカギとなるでしょう。日常的にお風呂で体を洗うときにも伝えることができます。子どもの体に触れるときには「体を洗うから触るね」と許可を取ることが理解につながります。

 また、秘密にしなくてはいけないボディタッチはこの世には存在しません、もしも誰かにそう言われたら(例:「触られたって、大人の人や友だちに言ったら、子どもちゃんが怒られるんだよ。」など)その行為は「気分の悪いもの」だと判断して信頼できる大人に伝えなければいけないと教えましょう。


性教育のカギは、はぐらかさないこと


 幼少期であっても、親子で安易にデリケートゾーンを触り合うことは危険です。なぜかというのは、受け入れるべき、行ってよいスキンシップと理解してしまう子どもがいる可能性があるのです。では、実際に自分の体を大切にすることやプライベートゾーンに関しての性教育は、何歳頃から伝えた方がいいのでしょうか?

 これについては、早ければ早いほどいいといえます。親が幼少期から性的な話題を避けて育った場合、性的な話題は親の前でするべきではない、ダブーな話題だと無意識に刷り込まれてしまい、性的な問題を抱えやすい思春期を迎えてから何か問題などあったときに一番身近な存在である大人、親に性について相談しづらくなってしまいます。

 「赤ちゃんはどこから来たの?」という質問に対しては、未就学児なら、両親の体に赤ちゃんが半分、半分あって、それがくっついて赤ちゃんができたんだよ、というやわらかいイメージで、且つはぐらかさず説明することができます。


NO!といえる子どもに育てる


 日本には、相手の気持ちを察するべきという文化は強く残っています。日本では(YES)同意することよりも、(NO)不同意することが難しいので、相手に強要されてもプレッシャーに耐えNOと言える能力は小さい頃から身につけていく必要があります。(NO)不同意したときに、怒られる、人間関係に問題ができるなどの不利益、不快な体験を積み重ねると必然的にNOと言えなくなる人間になってしまいます。子どもに、NOといっても不利益がない、(NO)不同意を受け入れてもらえることがごく普通の経験を家庭でも行えるとよいでしょう。子供たちにボディ・オートノミー(からだの自己決定権)、自分の身体は100%自分のものであるという、価値観をしっかりと育むことが重要といえるでしょう。

 しかし、なかなか簡単にはできないとは思います。つい、忙しく思い通りにならない子供との生活に、頭ごなしに「こうしなさい!」「いいから、やりなさい!」と言ってしまうことがあると思います。「~だからこうしたらどう?」「~してみない?」という伝え方がベストでしょう。上記で説明した、自分が不快だと感じることにはNOと言う権利があると教えることは、性被害を減らすことや、性的虐待被害の発覚/対策に非常に貢献するとして、欧米を中心に子供との対話に日ごろから積極的に取り入れている親は増えています。ちなみに、このボディ・オートノミー(からだの自己決定権)は人類全員に与えられる権利ではあるものの、幼女/女性の方がより侵害されやすく、今でも多くの女性が、健康の管理や避妊、中絶、セックス(性行為)について女性自身が自主的に判断する、決断する力/権利を持っていません。


正しい子どもの性教育への第一歩